実は10年前、お好み焼きの食べ放題に行ったときにも、痛い思いをしている。
姉と街に出掛けたときに、お好み焼き屋の前に、「食べ放題」という張り紙がしてあった。
「たまにお好み焼き食べたいね!」ということになり、お好み焼き屋へ・・・。
メニューの中から、好きなものを選んで良いとのこと。二人で、お好み焼きと焼きそばともんじゃ焼きを頼んだ。
それを食べ終え、また追加でお好み焼きと焼きそばを頼んだりした。
そして、「お腹きついね~」と言いながら帰る途中、喉がとんでもなく渇き、コーラを買った。
家に着いてコーラをがぶ飲みした。それから少し経つと、胃と背中が痛くなってきた。
最初は、食べ過ぎて胃を壊したのかと思っていたが、胃薬を飲んでもお風呂に入っても、痛みは軽くならない。
自分で背中や腰を揉んでみるが、良くなるどころか激痛になってきた。
「この痛みって何だろう・・・。一体何が起きてるんだ??」と思い、長い時間痛さと戦った。
そのうち吐き気に襲われ、何度も嘔吐・・・。それでも痛みは軽くならない。
そして、一睡もできず翌朝になり、更に耐えられない激痛になり、ついに救急車を呼んだ。よりによってこんな日に、彼は出張中だったからだ。
担架で救急車まで運ばれる中、同じマンションの野次馬達が集まってきて、私を見ている。でも、恥ずかしいなんて言っていられない。
激痛のため、時間がとてもゆっくり流れているように感じ、病院までの道のりがとても遠く感じた。
病院に着くとすぐに、肩に痛み止めの注射を打たれた。そして、違う病院に移され、精密検査だ!
意識朦朧になりながら、レントゲンなどを撮られた。病室へ行くと、点滴と痛み止めの繰り返し。
その間、ほとんど眠り続け、そして痛み止めが切れてくると、痛くて目が覚めた。
検査結果は・・・、急性すい炎(膵炎)だった。
医者が言うには、「まだ一度も見たことがないウイルスが見つかったんですよ」とのこと。そのウイルスがすい臓に入り込み、炎症を起こしたそうだ。
やがて痛みが少し軽くなったころ。朝目が覚めた時に、病院ってこんなにも騒がしい場所だということに気がついた。
どこかの病室のじいさんが、痰を吐くのに何度も大袈裟な音を出している。どこかの病室のおばさんは、大きな声で看護師と話しをしている。その他にも、いろいろな音がたくさん鳴っている。
少しでも体調が回復してくると、とても寝ていられるような環境ではない。
マンションの管理人から緊急連絡先へ電話が入り、少し回復してきてからは、入れ替わりで姉と彼がお見舞いに来てくれていた。
救急車で運ばれてから数日間は絶食で、その後は重湯などが食事に出てきた。
この重湯の美味しいことったら・・・絶食ってこんな素朴なものでも美味しく感じる。
そんなものなんだとこの時初めてわかった。
数日入院した後に家に帰ると、彼が脂質の少ないハンバーグや、脂質の少ない鍋料理を作ってくれた。感謝の気持ちもあり、とても美味しく感じた。
今思うと、私って小さな頃から食べることが大好きで、そのまま大人になったなぁ~って思う。
小さな頃は、いくら食べても胃腸を壊すこともなかったけど、年齢を重ねるにつれて内臓が弱ってきているのかもしれない・・・。それを自覚して、きちんとコントロールをしないと、今度こそ大きな病気になってしまうかもしれない。気をつけなきゃ・・・。
そんなことを考えながら、小さな頃からやっていた「ばっかり食い」を思い出していたのであった。