この頃も、まだすごく痩せていたので、甘いものは好きなだけ食べていた。
デコレーションケーキ用のスポンジを上手に作ることにもハマっていて、専門的なケーキのレシピ本を何冊も買って、お店のケーキを目指していた。
この頃は、クリスマスケーキも、もちろん手作り!!
「クリスマスと言えばケーキだ。ケーキなしではクリスマスは成立しない。だから、クリスマスは好きなだけケーキを食べていい日なのだ」と、素晴らしい理屈が瞬時に頭に浮かんだ。リミッターは解除された!
このとき目指したのは、2段重ねのすごいケーキ!ウエディングケーキの小さい版を作りたいと思ったのだ。
そのためには、今あるケーキ型よりも一回り大きいものを作らなければならない。スポンジの一段目は、土台にしなければならないからだ!
でも、身近にそんなに大きなケーキ型は売ってなかったので、代用になるものを考えた。う~~ん~~、何が良いかな・・・。
単純な頭で数十秒考えた結果、「大鍋」を使うことにした。大鍋の持ち手部分は樹脂なので、そのままオーブンに入れると溶けて駄目になるから、持ち手の部分のネジは外して使うことにした。
まずは、大鍋にアルミ箔を何枚も重ねて敷き、そこへスポンジ生地を流し込んだ。
焼いている間、きちんと焼けたか心配で、何度も竹串を刺して生地が生じゃないか確認した。結果、穴だらけの大きなスポンジケーキが完成した。
次は、二段目のスポンジ作りだ!これは、いつも焼いているから、慣れたものだった。
二段目のスポンジも完成した!!
デコレーションの材料は、いちご2パック、生クリーム3つ、クレープ皮、いちごの板チョコ、普通の板チョコ!これで準備OK!!
「すごいものを作ってやる!!」と意気込んで、デコレーションを始めた。スポンジ生地を横半分に切り、生クリームを塗って、いちごを敷き詰めた。そこにクレープの皮を数枚被せた。
二段目も同じ要領でクリームとイチゴを挟めて、クレープの皮を被せ、一段目に乗せた。
その上に、さらに生クリームをたくさん絞り、削ったチョコレート2種類をたっぷりのせ、最後にまたいちごを飾った。
予定通り、ちょっとしたウエディングケーキ並みのすごいのができた!!
「やった~~!!こんなのを作ってみたかったんだよ!!」と思い、冷蔵庫に入れた。他のクリスマス料理も完成し、テーブルが賑やかになったので、今回1番の自慢のケーキを出した。
その時は姉も遊びに来ていた。ケーキを見た瞬間、「お~~~すご~~~い!!」と歓声が上がった。
食事の締めはケーキだったが、みんなクリスマス料理をたくさん食べたせいで、ケーキは少ししか食べられなかったため、ほとんど残った・・・。
心の中では、「あとは私が平らげてやる!!これをやりたかったんだ!!」と、ほくそ笑んでいたが、口では「あ~、ケーキ結構残っちゃったね~」などと、冷静を装っていた。
姉が帰った後に、残りのケーキは切らないでフォークでそのまますくって食べた。
この時の幸せったらない・・・。ずっとやりたかったことの達成感!!
たかがケーキと思うかもしれないが、ウエディングケーキを見るたびに、「あれをフォークでそのまますくって食べてみたい・・・」と思っていたのだから。
最後のほうは飽きて食べるのが嫌になったが、残すのが嫌なので完食した。
大満足して寝ようと布団に入った瞬間、お腹は私のこんな食べ方を許さなかった・・・。
「お前、こんなもの大量に食べて、すぐに寝るわけじゃないよな!!ふざけるな!!」
腹痛だ!しかも激痛!!
よく考えてみたら、「ホイップクリームのばっかり食い」のときよりもパワーアップしている。何もかもがすごい量だ!
そんな私に呆れ返ったのか、胃腸は働くことを放棄したんだと思う・・・。
激しい下痢と胸焼けが私を襲った!何度もトイレに駆け込み、やっと治まった頃には、睡眠不足と腹痛の疲れでげっそり・・・。
でもその後も、ケーキの爆食いは何度もやらかした。
バカは、一度や二度や三度の痛みには懲りないんだなぁ~・・・。