高校生になると、食欲も半端じゃないことになっていた。

その頃仲が良かった友達のちえも、もちろん食べることが大好きなコだった。
学校帰りに、毎日のようにお菓子やパンを買って食べていた。

ある日、ちえが私の家に遊びに来た。いつものように、「お腹空いたね」という話になり、二人で近所のスーパーに買い物に行った。そのときに目に留まったのが、「マルちゃんやきっぺ」だった。
「やきっぺ」は、味は「マルちゃん焼きそば弁当」に似ているが、袋ラーメンなので、焼きそば弁当よりも安かった。
「これだ!!」と、意見が一致した。私が、「私、やきっぺ5個買う!!」と言うと、ちえも、「そしたら私もやきっぺ5個買う!」と言う。
結局二人で10個のやきっぺを買った。

家に着き、フライパンに5個分のやきっぺの麺と水を入れ、ほぐし始めた。
すると、なぜかいつもと様子が違う・・・。
普通のフライパンに大量の麺を入れたせいで、ほぐすのに時間がかかり、麺はゴテゴテになった。どうにもできず、そのままソースを入れた。出来上がったやきっぺは、団子状で最悪の状態になった。
そんな失敗を横で見ていたちえは、2個と3個に分けて作った。ちえのやきっぺは、いつも食べている美味しそうなものに仕上がった。
でも、そんな「やきっぺ団子」でも、完食した。

それからしばらくの間、やきっぺは買わず、「やきそば弁当」を買って食べていた。
失敗して、また「やきっぺ団子」を食べるのは、絶対に嫌だったから。
その後「やきっぺ」を食べたのは、ほんの数年前に一度きり。そのときは美味しく食べられたが、その後はもう食べていない。

トラウマってすごいものだな・・・。

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