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私は、つい最近まで、「嫌いなものって何?」と誰かに聞かれると、必ず「コーヒー」と答えていた。

「何がだめなの?味?苦味?」と聞かれると、「全部!!」だった。
多分、小さな頃の出来事が影響している気がする・・・。

私がまだ小学校3年生の頃の話。
その頃仲良くしていた、複雑な家庭の子の家に行ったとき、茶の間のテーブルの近くを通った時に、ひっくり返した納豆ご飯と思われる物を踏んだ。
靴下はネバネバのベタベタ・・・。しかも臭いし、靴下を脱がなければならない状況になった。
そもそも、あまりキレイにしている部屋ではなく、絨毯は番茶で煮たような色になっているほど汚く、まったく掃除されていない。
そして、どの部屋も日当たりが悪く、照明をつけないと昼間でもすごく暗い・・・。
それだもの、足元がきちんと見えるはずもなく、その後も、転がっている箸や、新聞の折り込みチラシなど、色んなものを踏んだ。
しばらくして、その子のお母さんが帰ってきた。昔の歌手の欧陽菲菲に似ているお母さんだった。
そのお母さんが、「ほら、コーヒー飲みなさい」と言って、コーヒーを出してくれた。
それはとんでもなくぬるく、甘ったるい味で飲みづらかったが、残すのも申し訳なく思い、頑張ってひと口ひと口飲んでいった。
やっとコーヒーカップの底が見えてきた!!
すると、何か違うものも見えてきた。
薄暗い中でよ~く見てみると、ご飯粒だ!!しかも、綿ゴミまで沈んでいる・・・
一瞬「おえっ!!」ときたが、なんとか堪えた。
その後、胸焼けなのか、そのご飯粒と綿ゴミの存在が気持ち悪かったのか分からないが、猛烈な吐き気に襲われた。
それからというもの、コーヒーを見るたびに吐き気を思い出し、気持ち悪くなっていた。汚い家で出されたコーヒーだったから、いろいろな意味で余計に気持ち悪くなったのだろう・・・。しかも、そのコーヒーの前に、納豆ご飯を踏んでるし。
その後も、コーヒーの匂いが嫌いなまま大人になった。それを克服しようと何度も試みた。でもだめだった。

すごく美味しいコーヒーを飲めば克服できるのではないかと思い、コーヒー通(つう)が行くカフェに連れて行ってもらい、一杯1,500円の「ハワイコナ」というコーヒーを飲んだこともあった。
「薄い色でとても飲みやすく、香りが良いから」と、コーヒー通のツレがそれを注文してくれた。
それでも美味しいとは思えず、ずっと嫌いなままだった。

ところが、糖質制限で甘い物を我慢しなければならなくなり、とても苦味の強い、カカオ成分の高いチョコレートを食べるようになってから、「コーヒーを飲んでみたい」という気持ちになった。
そこで、ファミリーマートの「バターコーヒー」というものを試しに飲んでみた。すごく美味しく感じた。クリームっぽくてコクがあったから、美味しく感じたのかもしれない。生クリームは、糖質量が低いため、糖質制限をしていても摂って良いもの。
それから、何度もバターコーヒーを飲んだ。

その後少し経って、コメダコーヒーへ「シロノワール」を食べに行った。

この頃はすでに目標体重に達し、なかなか体重が減りづらくなっていたので、「チートデイ」というものを一週間に1日設定し、そのときに、食べたい物を食べまくっていた。
チートデイというのは、「停滞期に減りづらくなった身体の状態をリセットすることで、その結果、また体重が減っていく」というもの。
とあるチートデイの日、その「シロノワール(大きなデニッシュ生地のパンに、ソフトクリームが乗っているもの)」と、「ミルクコーヒー」というものを注文してみた。

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シロノワール(出典:珈琲所コメダ珈琲店

きっと美味しいのではないか?と思い、迷わず注文したミルクコーヒー。コーヒー嫌いの私が試しに飲むにはちょうど良い、初心者向けのコーヒーだ!
シロノワールとミルクコーヒーがテーブルに置かれた。ミルクコーヒーを一口飲むと・・・「あれっ?すごく美味しい!!」
しかも、シロノワールと良く合う!!
初めてのミルクコーヒーは、シロノワールを食べながら全て飲み干してしまった。この時の幸福感は今でも忘れられない・・・。

糖質制限を始めてから、初めての甘いおやつ。そして、ミルクコーヒー。

それからは、いろいろなカフェで、カフェオレやカフェラテ、カフェショコラなど、お子ちゃま向けのコーヒーを飲んでいる。
まだブラックコーヒーはハードルが高いが、そのうち格好良くブラックコーヒーが飲めるようになりたいものだ。
苦いチョコレートとコーヒーの後味・・・どこか似ているように感じたため、嫌いだったコーヒーまで好きになれたような気がする。
糖質制限がきっかけになり、こんな風に嫌いなのもが好きになったりするのも面白い。

これからも、嫌いなものが好きになれたら良いなぁ~。

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